2011年3月1日火曜日

Ludwig's angina

前回のTwitterでのクイズの答えです。

Ludwig's anginaのCT像
矢印は膿瘍部分


 Anginaと言う名前がついていますが心臓疾患ではありません。ちなみに命名したのは何を隠そうLudwigさんです。
 機序としては、通常は下の奥歯の齲歯から舌下・顎下へ感染が広がることで起こります。当症例では膿瘍形成がありましたが、必ずしもあるとは限りません。感染症的な治療としては、嫌気性菌を含めた口腔内常在菌をターゲットにした抗生剤を投与することになります。本症例ではユナシンを投与しました。


 呼吸管理的にはこの腫れ上がった舌による上気道閉塞が問題になります。ひどい場合口腔内に収まらないくらいに舌が腫大します。以前にも書きましたが、このような患者さんの気道確保をするときに、次の手を考えずに筋弛緩剤を投与してはいけません。通常の喉頭鏡での挿管で上手くいく可能性はかなり低いです。この場合、声門より上からのアプローチとしては気管支鏡による挿管が適応になります。経験がある方なら盲目的経鼻挿管も良いかも知れませんが、下手につついて上気道閉塞を悪化させることは避けるべきです。声門より下からのアプローチとしては経皮または外科的輪状甲状間膜切開があります。本症例では手術室でまず覚醒した状態のまま外科的輪状甲状間膜切開が行われ、引き続き切開排膿が行われました。

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